「派遣の仕事が気になるけど、本当に派遣で良いのかな?」
「派遣ってなんとなく良くないイメージがあるけど、大丈夫かな」
派遣の仕事に興味はあるものの、このような不安から簡単に踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
派遣は正社員と比べると雇用の安定性・福利厚生の面などデメリットもありますが、勤務日数や時間など選択肢が幅広いというメリットがあります。
この記事では、実際に派遣で働いている人の「派遣を選んだ理由」から、派遣で働くメリットを詳しく解説していきます。
派遣のデメリットも説明するので、ぜひ最後まで読んだ上で、派遣が自分に合っているかどうかの判断材料にしてみてください。
派遣経験者の派遣で働く理由

2024年度に実施された「派遣社員WEBアンケート調査」によると、派遣経験者が派遣で働くことを選んだ理由は以下の通りです。
1位 働く時間や時間帯を選べるため(42.4%)
2位 勤務地を選べるため(35.5%)
3位 やりたい職種や業務内容を選べるため(33.2%)
上記結果の理由や背景について解説していきます。
派遣で働く理由1位は「働く時間や時間帯を選べるため」
最も多かった理由が「働く時間や時間帯を選べるため」であることから、
多くの方がライフワークバランスを重視していることが分かります。
「子育てや家族との時間を大切にしたい」
「副業との両立を目指したい」
といった場合、派遣は様々な就業日数・時間の求人があるため、仕事を見つけやすい特徴があります。
また、希望している職種があっても、未経験者は正社員では雇ってもらえない可能性があります。
そのため、まずは派遣で経験を積んでから、正社員へスキルアップをしようと考える人もいるでしょう。
ほかにも「賃金が高いため」という理由も上位にあり、働きやすさ以外にも派遣を選択している理由があることが分かります。
正社員経験がある人も派遣を選択している
派遣で就業中の人の8割は正社員経験があるとの調査結果がでていますが、正社員退職理由と派遣で働く理由が密接に関わっていることが分かります。
1位 結婚を機に退職(24.1%)
2位 職場の人間関係に拘束されるため(20.7%)
正社員の場合、希望を出しても就業時間の調整が難しい場合が少なくありません。
そのため結婚を機に、就業日数・時間が選べる派遣の仕事へ変更する人もなかにはいるでしょう。
また、部署異動がない限り正社員の場合は定年まで同じ人間関係の中で働く必要があります。
その点、派遣の場合は契約期間が定められていることから就業先を変えやすく、正社員よりも人間関係に縛られることはないといえます。
こういった正社員の仕事に対するデメリットから、派遣を選択している可能性が挙げられます。
その他、「賃金が低いため」が理由の人も15.9%と上位にあがっています。
仕事内容や企業によっては派遣の方が高給になる場合もあるため、仕事を探す際は幅広く情報を収集していくことが重要です。
派遣社員と正社員の違い

派遣社員と正社員は雇用契約・条件面で違いがあります。
1つずつ説明します。
雇用契約を結ぶ相手
正社員は企業と直接雇用契約を結びますが、派遣の場合は派遣会社と結びます。
派遣社員の場合、業務指示は派遣先企業から受けますが、それ以外の給与支払いや契約関係の手続きはすべて派遣会社が行います。
就業日数・時間
正社員の仕事は多くはフルタイム勤務ですが、派遣社員の場合は週3日勤務や時短勤務など選択肢が多くあります。
企業側からしても、派遣社員は繁忙期の人員補充など企業が必要なタイミングでのみ雇えるというメリットがあります。
働く期間
派遣社員は同一企業で就業できるのは最長3年との決まりがありますが、正社員には雇用期間の制限がありません。
また正社員には契約期間の定めがないため、派遣と違い途中で契約終了となる恐れがなく、長期的な就業が可能です。
給与
正社員は月給制、派遣社員は基本時給制となるため、祝日が多い月は時給制の派遣社員の給与は少なくなってしまいます。
また、昇給の可能性も正社員の方が高く、毎年決まって昇給する企業もあるでしょう。
派遣社員もスキルが認められれば時給が上がる可能性はありますが、企業や業務内容によっては入社時から変わらない場合もあります。
派遣で働くメリット

派遣で働く理由1位にもなる通り、派遣で働く1番のメリットは「就業時間や日数が選べる」点が挙げられます。
そのほかにも以下のようなメリットがあります。
- 経験やスキルを積める
- パートやバイトより時給が高い
- 派遣会社のサポートを受けられる
メリットを1つずつ紹介します。
就業時間や日数が選べる
派遣の仕事はフルタイムのお仕事もあれば週3日・時短勤務など、様々な条件の求人があります。
就業時間は契約内容によって決められているため、残業や休日出勤が発生する可能性は低い傾向にあります。
自身のライフスタイルに合わせた働き方ができ、家族との時間や自分の趣味に使える時間を増やせるのは、メリットとして大きい点です。
さらには勉強の時間を確保しスキルアップも目指せるため、キャリアに迷う場合は派遣で就業しながら模索していくのも良いでしょう。
経験やスキルを積める
派遣には誰もが知っている有名企業や、広告・ファッション・IT業界などの求人募集があり、正社員での入社は難しいような憧れの企業に就業できるチャンスが生まれます。
また派遣社員は契約期間の定めがあることから、1つの企業に留まらず複数の企業で働くことが可能です。
複数の企業で働くことで幅広い知識やスキルを積めるため、キャリアの幅を広げることにも繋がります。
パートやバイトより時給が高い
派遣は経験・スキルが求められる傾向にあり、企業は即戦力として派遣社員を募集します。
そのため、時給はパートやバイトよりも高く設定されていることが多くあります。
ただし時給だけで判断するのではなく、自分に挑戦できそうな内容か、仕事内容と時給が見合っているかなど、応募前の確認は必須です。
派遣会社のサポートを受けられる
派遣会社の各種サポートを受けられる点もメリットとして挙げられます。
仕事を探す間はもちろん、就業中に困ったことがあれば派遣会社の担当者に相談できるため、安心して働くことが可能です。
たとえば人間関係での悩みがある場合、企業には直接言いづらいことでも、派遣会社が間に入ることで解決に向かう可能性があります。
また、派遣会社が提供している研修やeラーニング学習なども受けられるため、スキルアップの後押しもしてもらえます。
派遣で働くデメリット

メリットがある一方、派遣にはいくつかデメリットも存在します。
- 契約期間の決まりがある
- 業務内容の範囲が狭い
- 派遣先企業の福利厚生は受けられない
1つずつ紹介します。
契約期間の決まりがある
派遣は同じ就業先で就業できるのは最長3年間と決まっています。
そのため、3年間就業した後には他の派遣先を探さなければいけません。
また、派遣は数か月ごとの契約更新があり、その度に契約更新の意思確認が行われます。
派遣先企業の希望するスキルに満たない・就業態度が悪い場合など、途中で契約終了となる可能性があるため、就業の不安定さが最大のデメリットといえます。
業務内容の範囲が狭い
派遣社員に任せられる業務内容は、正社員に比べて範囲が狭くなります。
働ける期間の最長期間が決まっていることから、企業側も長期的に育成をしようとは考えず、責任が重い仕事は任せられないことが多いのが現状です。
そのため裁量をもって働きたい人は、派遣の仕事ではなく正社員の仕事を探す方がおすすめです。
一方、決められた仕事をこなすことにやりがいを感じる人にとってはメリットになるといえるでしょう。
派遣先企業の福利厚生は受けられない
基本的に派遣社員は、派遣先企業の福利厚生は受けられません。
たとえば、派遣先企業には「住宅手当」「燃料手当」などがあったとしても、派遣社員は適用対象外です。
給与は派遣会社より支払われ、福利厚生も派遣会社側の内容が適用となります。
福利厚生の具体的な内容は派遣会社により異なりますが、たとえば交通費の支給や有給取得、レジャー施設の利用料金割引などがあります。
派遣のメリット・デメリット両方を知った上で、自分に合う働き方かどうか判断していきましょう。
自分に合うかどうか分からない場合、一度派遣会社に登録してみて担当者に相談してみるのがおすすめです。
担当者は派遣で働いている人の実状を知っているため、自分に適したアドバイスをもらえます。
まとめ
仕事を探す際は、「自分に合っているかどうか」を軸に選ぶことが大切です。
合っていない仕事を選択してしまうと、短期間で退職をすることになってしまうかもしれません。
そのため、まずは自身がどう働いていきたいかを明確にすることからはじめると良いでしょう。
しかし、なかには「自分が仕事に求めていることが何なのか」「どういった仕事ならできそうか」一人で考えても思いつかない人もいるでしょう。
そういった方は一度派遣会社に登録してみて、担当者に相談してみるのも1つの方法です。
派遣会社の担当者は、求職者の様々な状況・希望条件に合わせて仕事紹介をしているため、一人ひとりに合った仕事を見つけることが可能です。
一人で考えてみて、答えが出ないときには派遣会社のサービスを使ってみることも検討してみてください。